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カリンバの弦を作ってみよう!

現在、モノづくり共同体は千葉県、埼玉県、香川県、神奈川県、富山県に活動拠点がありますが、そろそろ拠点毎の色を出していきたいと思っています。千葉拠点では木工旋盤教室を中心に主に初心者やDIYをやりたい方向けに施設を開放して行く、埼玉拠点ではギターや木工旋盤を使った製品作りとそれらの制作指導と自給的農業を進める、香川拠点では刃物製品作りと自給的農業を進める、富山拠点では主に楽器製作です。神奈川拠点ではロードバイクやレザークラフト製品の製作をしながら、IT系の技術の向上と研究や開発に力点を置き、モノづくり共同体に新しい技術や知見を注入して行くことになりそうです。

これは神奈川拠点で新たなモノづくり入門企画を検討するパイロットプロジェクトです。他の作業の合間に進めます。

カリンバ作りをやってみます。

カリンバはアフリカ起源の楽器で、現在は木製の共鳴箱に金属の弦を並べたものが普及しています。安価なこと、演奏が簡単なこと、場所を取らないことから人気がある楽器です。

音色は大きめのオルゴールのような可愛らしいもので、名手が演奏すれば素晴らしい音楽になります。

ネット通販を利用すれば弦のセットや組立キットが安価で手に入るので、興味のある方は是非そういったものを入手して楽しんでいただきたいと思っています。

モノづくり共同体がやるからには、簡単なキット組立では面白くありませんので、弦を作るところからやります。

弦の材料は解体したソファーベッドのバネです。ピアノ線や鉄製の自転車ホイールのスポークなども使えます。

バネの状態では棒状に延ばせません。延びてしまったらバネの役目を果たせません。

ですので、最初にやるのは焼き鈍しです。

焼き鈍しは赤くなるまで鋼を熱してゆっくり冷やすことで、バネの状態(焼き入れされた状態)をリセットします。これで手で引っ張れば棒状に延ばすことができます。

棒状にしたバネ鋼を熱しながら金槌で叩いて延ばします。

平らな棒状になれば叩く作業は終了です。

やってみるとわかることですが、金槌で叩いて均等な太さで真っ直ぐな棒にするのは難しいです。鍛治の練習としては最適なテーマではないかと思います。

最低でも17音くらいのカリンバにしたいので、これを17本作ります。

弦の数が揃ったら音階を構成できるように長さ調整して、焼き入れ・焼き戻しをします。

焼き入れは800度ほどに熱した鋼を急冷して硬くする処理、焼き戻しは200度から400度に熱してからゆっくり冷やして粘りを出す処理です。

焼き戻す、叩いて(鍛えながら)整形する、焼き入れ・焼き戻しするという技術と知見は、刃物を作る時に応用できるので、カリンバの弦を作る行為はモノづくりの道具を作る行為に繋がって行きます。

十分に実用的なカリンバが完成したら、「弦作りから始めるカリンバ作り」のような製作教室も開けるかもしれません。鍛治と木工を体験できて音楽も楽しめる企画になるでしょう。材料費や道具にかかる費用は大きくないので継続することも容易で、興味が深まれば包丁や大工道具を作る段階にステップアップできます。

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