木工旋盤で使用する刃物を研ぐための治具を更新しました。
これまではONEWAY社製のものを使用していましたが、WoodCut社製の【TRU-GRINDシステム】に換装しました。
グラインダーと共に合板に据え付けて使用します。左右に設置してある目盛りの着いたものと、赤い保持具が該当製品です。治具の取り付けは簡単ですが、グラインダーとの位置関係はシビアに設定する必要がありますので、ズレの無いように丁寧に行います。
こちらがこれまで使用していたものです。
言語化すると長くなるので省きますが、刃物の研ぎ角設定がより容易且つ高精度になり、研ぎの誤差による刃角の崩れが起きにくくなりました。
我が国のウッドターニング事情と致しましては、このTRU-GRINDシステムにCBNホイールを組み合わせて使用する方法が最新式です。TRU-GRINDシステムは、基本的には減ることのない(面直しの必要が無い)CBNホイールとの併用が前提となりますので、導入の順序としてはCBNホイール→TRU-GRINDシステムという流れが良いと思います。一括だと出費が大きいので…。
現在、我が国内で木工旋盤関連機器を購入出来るのはオフコーポレーションさん、ナカジマウッドターニングさん、TSUBAKI LABさんが有名どころかと思いますが、来春オープン予定のモノづくり塾「JIKUU」では、こういった治具を作るなんていうことが出来たらいいなと思います。
新調した研ぎ治具で刃物を研ぎ、欅でお椀を挽いてみました。
この器は、刃物で挽いた後に400~600番のヤスリで2~3分サンディングしただけです。刃物での切削作業が済んだ段階で、300~400番でサンディングした後くらいの手触り且つうっすらと光沢が出るくらいに仕上げたいところですね。
和式の木工轆轤を使う木地師さんたちは「ヤスリ掛けは誤魔化し」というようなことを仰います。寺社建築において鉋の仕上げ削りだけで水を弾く仕上げをするなんていう話もありますが、「じっくりと時間を掛けてサンディングする」というのは、良いことのようでそうではないのかもしれません。実際、薄削りした木地に長時間サンディングして熱を持たせることで割れてしまうなんてこともありますね。
サンディングはやればやるほどツルツルになってきますので一種の気持ち良さがありますが、同時に失っているものも少なくないな…と最近は思えます。
新しく取り付けた研ぎ治具で全ての刃物を仕立て直した後、雑多になっていた刃物収納棚を整理しました。初めは10本も無かった刃物がいつの間にか30本近くになっていました。道具や生産設備は買えるうちに買ってしまおうと思ってはいるのですが、場所がどんどん無くなっていきますね。
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