まず、鉋を側板材(マホガニー)が切れるところまで仕立てるのが一苦労です。刃を研いで、台を仕立てて、刃の出し方を身に着けて…と、綺麗な鉋屑を出すまでがそもそも大変なのです。Fさんは、中古の鉋をご自分で購入し、モノづくり共同体の仲間の協力を得ながら自分の鉋に仕立てている途中。走りながら作る!という感じです。
今回相手にしているマホガニーはなかなか手ごわく、逆目もやや起きやすい材木です。Fさんがこれまでの人生で知らず知らずのうちに身に着けたある種の「クセ」が、微妙に鉋の動きに影響して上手く鉋が動きません。講師が同じ鉋で作業するとシャッ!シャッ!と鉋屑が出るのに…何事も技能、経験ですね。
今回使用しているマホガニーはアイモクさんで購入した「アフリカンマホガニーAランク」です。
おおよそ半日ほど掛けて、側板1枚を3㎜削りました。Fさんは集中力が途切れず、ほとんど休憩せずに作業する人なので、かなり疲れが貯まったはずです。お疲れさまでした。
今回、もう一枚の側板と、同じ材を使う裏板については講師の方で厚み出し作業を代行することにしました。薄くした状態の板をあまり長期間置いておきたくないこともありますし、ある程度の進行速度を保つことで内容が間延びしないよう、こちらでも柔軟に対応していきます。
側板がひと段落したので、表板に使う杉を鉋掛けします。マホガニーに比べるとこちらはかなり楽です。
次回は側板の曲げか、表・裏板の接ぎ合わせ作業になる見込みです。ここから徐々にギターらしい形が垣間見えてきますのでお楽しみに!
今回で6日目となるFさんのギター製作教室。ここ2回ほどはひたすら側板を鉋で薄くしています。もともと5㎜弱あったものを、2㎜を僅かに切るくらいまで薄くします。「たった3㎜削るだけ?」と思うかもしれませんが、これがなかなか大変なんですよ。やってみれば分かります。