まずは材木の注文から。ギター製作業界ではお馴染みの大和マーク・愛知木材の両社をご紹介。材木に対する要望などをFさんから聞きつつ、こちらでも提案して注文内容を決めていきます。最終的にはこのような材木選びとなりました。
- 表板:レッドシダー最高級材
- 側・裏板:アフリカンマホガニー
- 指板・ブリッジ:黒檀
- ネック:セドロ
- 力木等補強材:シトカスプルース
- ペグ:GOTOH普及品
モノづくり共同体では、製作教室受講者に対して材木やキットの購入を強制することはありません。むしろ、ご自身で材木商から購入して頂くことをお勧めします。そうして頂くことで、次のモノづくりへの移行がスムーズになると考えています。
材木選び以外でFさんの個性が現れたポイントです。
- ロゼッタは埋め込まずに、シンプルなパーフリング巻きのみにする
- ライニングは薄く設計し、バインディング・パーフリングは巻かない
とにかく「音」に拘りたいFさん。手間・予算を掛けるところとそうではないところがハッキリしています。どんなギタ―になるか楽しみです。
現在お使いの全音ギターと同じシェイプで製作し、内部構造を変えることで音にどんな変化が出るかを検証するそうです。その為、寸法等については極力同じものにします。
型紙を基にテンプレートを製作します。上図は横板のテンプレートを作っているところ。約5㍉厚のMDFを使います。
比較的長めの直線切りでしたが、上手に切れていました。
側板同様に現在お使いのギターから型を取ります。
表・裏板のテンプレートは電動糸鋸盤で切り抜きました。
MDFで作ったテンプレートを基に、側板を固定するモールド(型枠)を作ります。25ミリ厚の合板をジグソーを使って切り抜きます。ご希望とあればモールドやテンプレートなど、いわゆる「治具」の製作法もお伝え致します。これが意外と大切です。
Fさんが受講しているようなスタイルのギター製作教室は、予め日時を打ち合わせの上モノづくり共同体拠点にお越し頂き、原則10時~16時の時間帯で作業を進めます。指導料・施設使用料含めて 税込5,000円/1日 の料金を頂戴しております。モノづくり共同体の仲間が持っている知識・技術は惜しみなくお伝え致します。
材料費は実費負担のみで、Fさんのようにご自身で入手して頂いても構いません(むしろ推奨)。
Fさんのギター製作教室 次回の予定
- モールド作りの続き
- 製図
「自分の手でギターを作ってみたいのですが」というFさん。
短期間で完成させられるキット製作を提案するも、よくよく話を聞くと色々と試行錯誤して進めていきたい様子。それであれば…と材木を注文するところからのスタートとなりました。