先日、個人指導型の木工旋盤教室でお椀を作ったIくんが、作ったお椀に拭き漆を行うべく押沼拠点に再訪してくれました。
「漆」と聞くと大変とっつきにくい印象を受ける方も少なくないと思います。確かに、非常に熟練を要する漆の塗装技法もありますが、今回取り組んだ「拭き漆」については、初めてでも失敗が少なく、かつ立派に仕上がる技法です。
やることは極めて簡単で、漆を塗り込み、表面に残った漆を紙で拭き取ります。
ホームセンターでよく見かけるラッカーやウレタン系の塗料と違い、漆を乾かすには空気があまり動かない場所で、一定の湿度と温度を維持してやる必要があります。
拭き漆の良いところは、とにかく硬化後は強固な塗膜を形成しますので、食器には最適です。なお、硬化した漆でかぶれることはありません。また、独特の艶は他の塗料にはない良さがあり、これならかぶれても仕方ないかと納得出来ます(感じ方は人それぞれですが…)。
また、漆は専門店さんのWEB通販で簡単に購入することが出来ます。ちなみに筆者は、佐藤喜代松商店さんや、堤淺吉漆店さんを利用しています。
拭き漆に関して言えば、恐らくご想像より手間も場所も取りません。是非ご自宅でチャレンジしてみて下さい。ご心配な方は気軽にご相談下さい。食器づくりから拭き漆まで、手ほどきさせて頂きます。
湿度70~80%、温度は20~30度くらいの間でキープしてやる必要があります。「そんなこと言われましても…」と思われるかもしれませんね。
上の写真のような小さめの蓋つきコンテナであれば、びっしょり濡らしたタオルを入れておけば丁度それくらいの湿度を保てます。